【平成25年(2013年)9月30日 第1刷】
【平成29年(2017年)7月14日 訂正第2刷】
【2022年(令和4年)6月1日 第3刷】

序　文

本書は地盤調査法の教科書であり,土木,建築,農業工学,応用地質,資源開発工学などの幅広い分野の大学,工業高等専門学校,建築系の専門学校の学生や実務における初級・中堅技術者の手引書として編集しました。
地盤工学会では,約5年ごとに地盤調査法を見直しており,2013年には「地盤調査の方法と解説」を出版いたしました。本書は同書に収録された地盤調査法の中で,大学などの教育や若い技術者が実務で必要と思われる地盤調査法を選んで分かり易く解説しています。
本書は35章から構成されており,2005年に出版された「地盤調査　基本と手引き」を2013年に改訂された「地盤調査の方法と解説」の内容に一致するように修正及び追加しました。2005年に出版された「地盤調査　基本と手引き」からの大きな変更点は次のようになります。

1) 最近、地質調査などで広く使われるようになった表面波探査を,弾性波探査のかわりに新たに追加しました。
2) 「地盤調査の方法と解説」においてオランダ式二重管コーン貫入試験の名称が機械式コーン貫入試験に変更されています。
3) 2005年度の「地盤調査　基本と手引き」の第2章調査計画より地盤・地下水汚染調査関連の調査計画を分離して第33章に追加しました。また,「地盤調査の方法と解説」で土中ガスの採取が追加されました。揮発性有機化合物または鉱物油などの地盤汚染調査の際に行われる頻度が高い調査方法ですので本書においても第35章に追加しました。
4)「地盤調査の方法と解説」では,上記以外にも規格・基準調査が変更になっている場合があります。本書では変更箇所を反映するように修正しています。
5) 地盤工学会のホームページから,誰でも自由にデータシートが印刷できるようになりました。このことから,本書ではデータシートを添付していません。

本書は一年間の地盤調査規格・基準委員会ワーキング12の会期内で,新たな基本方針を掲げ,編集・執筆作業を経て出版にこぎ付けました。「地盤調査規格・基準委員会ワーキング12」の幹事・ワーキングメンバーや執筆者には,限られた時間の中で最大限のご尽力をいただきました。これらの関係各位に深甚の謝意表します。
本書が,学生や初級・中堅技術者の地盤工学の理解や地盤調査法の進歩・発展に役立てば幸いであります。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　 　　 　　


【目次】

第1章　調査計画の流れ
第2章　地盤調査経計画
第3章　既存資料調査
第4章　地表地質調査
第5章　速度検層
第6章　電気検層
第7章　表面波探査
第8章　電気探査
第9章　地中レーダ
第10章　ハンドオーガーボーリング
第11章　調査ボーリング
第12章　固定ピストン方式シンウォールサンプラーによる試料採取
第13章　多住管サンプラーによる試料採取
第14章　プロックサンプリング
第15章　標準貫入試験
第16章　動的貫入試験
第17章　スウェーデン式サウンディング試験
第18章　静的コーン貫入試験
第19章　源位置ベーンせん断試験
第20章　地下水位・間隙水圧測定
第21章　透水試験
第22章　揚水試験
第23章　地下水流動層検層
第24章　孔内裁荷試験
第25章　道路平板載荷試験
第26章　平板載荷試験
第27章　砂置換法による土の密度試験
第28章　RI計器による土の密度試験
第29章　地表面の位置測定
第30章　地中の変位測定
第31章　土中土圧と間隙水圧の測定
第32章　地盤汚染調査
第33章　環境科学分析のための土試料の採取
第34章　環境科学分析のための地下水資料の採取
第35章　環境科学分析のための土中ガスの採取