従来の「土質試験の方法と解説」では,高有機質土,関東ローム,まさ土,しらすを「特殊土」として扱っていました。しかし,平成21年11月に改訂された「地盤材料試験の方法と解説」では,「特殊土」を地域的・局所的な名称としてではなく,通常の土の地盤工学的特性とは明らかに異なる土として扱い,それぞれ高有機質土,火山灰質細粒土,風化残積土および火山灰質粗粒土と表記を改め,対象土を拡大して解説しています。
本講習会は,「地盤材料試験の方法と解説」の発刊を契機に,日本各地に存在する「特殊土」について,その基本性質,特殊土に適した調査および試験方法,設計時における土質定数の扱い,災害事例との関連等について幅広く解説するものです。また,「中間土」,「さんご礫混じり土」については,最新の研究成果に基づく話題を提供します。

内容・講師

1.特殊土概論および中間土　～設計強度定数をどう考えるか?～
　　土田　孝 【広島大学】

2.高有機質土　～その解析手法と設計定数の決定法～
　　林　宏親 【(独)土木研究所　寒地土木研究所】

3.火山灰質細粒土(関東ロームなど)　～設計・施工の問題点と土質試験～
　　片桐　雅明 【(株)日建設計シビル】

4.火山灰質粗粒土(しらす,降下軽石など)～物理的・力学的性質から被災事例まで～
　　八木　一善 【岩田地崎建設(株)】

5.風化残積土(まさ土)～土石流災害箇所からの試料採取と土質試験～
　　中田　幸男 【山口大学】

6.さんご礫混じり土　～c材かφ材か～
　　渡部　要一【(独)港湾空港技術研究所】